88歳の母、天寿を全うし大安楽往生 その1

往生

 神霊教信者の母は、5年前から老人ホームに父とともに入居していました。入居した部屋から富士山が見え、母にとっては居心地が良かったようです。この施設は、神様のお導きにより、両親が緊急入院した際、私が当時生活していたアメリカから、わずか5日間の一時帰国中に見つけることができました。

 令和3年11月、施設より、母が病院に緊急搬送されたと連絡が入りました。診断の結果は、腹水貯留、肝硬変、大腸ガンの疑いでした。一時は意識が混濁状態でしたが、その後会話ができるようになり、約1カ月の入院を経て、元の施設に戻りました。

 母は、退院後は寝たきりになってしまいました。食事はほとんど取れませんでしたが、飲み物は飲むことができ、毎日お参りもしていました。ホームに来ている訪問医師から、「余命はそう長くはないのではないか」と、言われました。

 2月のある日、早朝に嘔吐したと連絡が入り、大腸ガンの疑いがあったことから、腸閉塞が疑われましたが、診断結果は違いました。この嘔吐は、体の浄化現象を頂いたのだと後から気が付きました。

 二日後、施設に行き、母の枕元で1時間の御神語奉唱をし終わると、母は私に2度「ありがとう」と言いました。その瞬間、私はお別れが近いことを感じました。

 なぜかというと、父が転生したとき、最後に私に残した言葉が「ありがとう」でしたし、信者だった祖母が最後に残した言葉も「ありがとう」だったからです。

 その翌日の午後10時すぎ、母は88歳で安らかに転生しました。

(東京都 50代男性)

つづく

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