日本再発見 第2回 ご褒美付き学校生活

海外から日本を見てみよう
 米国カリフォルニア州ロスアンゼルス郊外にあるパロス バーデス ぺニンスラ学校区の公立小学校に子供たちが通学していたときのことです。
 最上級生(5年生)になると、登校時の交通整理係やランチ係などのボランティアをすることができます。
 娘がランチ係のボランティアに手を挙げたというので、子供が成長したことをうれしく思いました。
 ところが後日、この様子を聞いてみると、日本の小学校の給食当番とは大違いで、係は好きなメニューのランチをもらえる上、アイスクリームや飲み物までも食べ放題という特典付きでした。


アメリカで見たボランティアの実態
 日本で想像していたボランティアとは少し違ったニュアンスを感じました。
 また、市が行うビーチクリーニングのボランティアがあることを娘が担任の先生から聞いてきたときには、日曜日にぜひ、参加したいというので連れて行くと、シティのロゴ入りエコバッグをもらいました。
 月曜日にはこのエコバッグを学校へ持参し、担任に見せると参加した証となり、授業の成績へのポイントがもらえることになっていました。
 もともと積極的な子供でしたので、参加することを楽しんでいましたが、その上にご褒美付きとなるとますますモチベーションは高くなり、何でもやってみたいと意欲的な子供に成長していきました。
 確かに小学校ではシール、鉛筆、消しゴム、キャンディ、小さな玩具など勉強をやり遂げるたびにもらえる物が多くあり、このような仕組みの中で学習意欲は高められ、また、ボランティア活動も何らかのご褒美とセットですからモチベーションも上昇していきます。
 そして、このボランティアは中学生、高校生になると進学のための成績に反映される形へと変化していきました。
 ご褒美に頼り続けているのでは、次々とご褒美が大きくなるばかりです。
 そして何よりも何のために勉強するのか、何のためにボランティアをするのかといった本質的な目的のずれが拡大して、このような方法で結果的に成果を上げたとしても、その過程で培われていくべき精神面での発達が未熟になり、行動の基準となる実利的な価値観と精神的な価値観のバランスに偏りができるのを感じました。
 「物の与え過ぎは子供を駄目にする」とは、孫を見ながら義母が繰り返し言っていた言葉です。
 人間形成の土台となる時期にこそ、安易な手段に惑わされず、対価を求めずに善い行いができる習慣を身に付けさせたいものです。
 幼少のころからの行いを通して、目には見えない精神的な価値観の尊さを伝え、培い、それがしっかりと根付くような環境をつくりたいと思っています。